認知症とせん妄

認知症とせん妄について

「認知症」と「せん妄」は、よく混同されてしまうようです。

 

せん妄とは、意識障害が起こることによって頭が混乱に陥っている状態のことです。

 

認知症と似た症状が出て、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の患者に良く発症するものです。

 

そのため、認知症の症状だと思う方も多いと思いますが、実際のところ認知症とせん妄は別なものです。

 

ここでは、そんな認知症とせん妄についてご説明していきます。

認知症とせん妄は、何が違うのか?

認知症と違い、せん妄そのものは治療が可能ですし発症時期を特定できるものです。

 

しかし、せん妄は認知症と併発している事が多く、せん妄から認知症へ移行する事もあるため診断も困難になってしまいます。

 

せん妄は急性、一過性に経過し軽度から中度の意識レベルの低下、様々な認知機能障害や精神症状を伴います。

 

せん妄は、さまざまな原因によって脳の機能がうまく働かなくなり、神経伝達もうまく行かなくなります。

 

人によって症状は違いますが、主な症状は、目がうつろ、何もない所を触ろうとする、徘徊、叫びだす、幻視、幻覚、妄想等があります。

 

幻覚や幻聴を感じておかしな言動を繰り返したり、興奮して大声を出したり、時には暴力となって現れることもあり、介護者の負担が大きくなります。

 

高齢者のせん妄の主な原因は、薬の副作用、心不全や呼吸不全、代謝異常、内分泌疾患等があります。

 

また、夜間帯に起こるせん妄のことを「夜間せん妄」と言います。

認知症と間違われやすいせん妄への対処法について

では、認知症と混同されやすいせん妄への対処はどのようにすれば良いのでしょうか?

 

まず、せん妄においては、幻視、幻覚等で本人がどの様なものを見ているか、どこで見えているかを聞き、本人への理解を示し傾聴し、不安や興奮を落ち着かせる様にすることが大切です。

 

また、「見えるね」と同調してあげると良さそうな気もしますが、実際は更に悪化することに繋がります。

 

そのため、同調することは避けるということを頭に入れておきましょう。

 

幻視は、見えている場所から襲ってきたりはしない為、一度現場から距離を置くと良いです。

 

また、暗い場所では幻視が見えやすいため、幻視が見えた場合は明りを点けてみる等の対処法もあります。

 

せん妄は、何が原因になっているかを特定出来れば、その原因を取り除く事でその場は納まります。

 

ただし、無理に制止しようとすると更に興奮したり暴言や暴力に繋がる可能性があるため、無理に静止はしないことも大切です。

 

不安や孤独によって幻視や幻覚が見えている事もあるため、優しい口調で話しかけたり、本人が精神的に落ち着けるような接し方をする等の対応もあります。

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